2. 会葬礼状の書き方を確認しましょう
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それでは具体的に会葬礼状の書き方を説明します。
基本形はほぼ確定していますので、間違いや失礼の無いように気を付ければ大丈夫です。
2-1.会葬礼状の基本形
会葬礼状は以下のように4つの部分で構成されています。
1番目:故人の名前
2番目:会葬いただいたことに対するお礼の言葉
3番目:略儀であることの説明
4番目:差出人
会葬礼状としては、2番目の会葬いただいたことに対するお礼の言葉が中心になります。
忙しいところを参列いただいたことについての感謝を記載しますが、個別に会葬礼状を書くのでなければ香典や弔電など個々の細かいことに触れる必要はありません。
もう一つ、会葬礼状に特徴的な部分として3番目の略儀であることを記載することです。
本来であれば直接一人一人にお礼を申し上げなければならないところを、書面でお礼を申し上げているということ記載します。
4番目の差出人については、通常では喪主の名前になります。
喪主に続いて親族一同と書き添えます。
その際に親戚一同の前に、その他という意味で「外」と記して空白を一文字分入れます。
この空白はとても大切です。
「外」に続く空白を入れ忘れた会葬礼状を受けた人が「外親戚一同」とはどういう意味か気になって調査することがしばしばあります。
ちなみに「他」でも間違いではなく実際使用されることもありますが、外の方がより一般的です。
また地域によってですが、喪主と親戚一同の間に子供などの名前を入れることもあります。
その際、長男だけは「男」だけにされていることが多いです。
喪主 〇〇〇〇
男 〇〇〇〇
次男 〇〇〇〇
長女 〇〇〇〇
次女 〇〇〇〇
外 親族一同
法人などによる社葬の場合の差出人は、喪主や親族の前に法人名と葬儀委員長の名前になります。
なお、葬儀の際に手渡しする会葬礼状には個々の宛名は書きません。
2-2.会葬礼状には故人の名前をこう書く
会葬礼状で特に気を付ける点として、最初に記載する故人の名前の書き方があります。
喪主から見た故人との続柄で記載します。
「亡父 〇〇〇〇 儀」、「亡母 〇〇〇〇 儀」、「亡祖父 〇〇〇〇 儀」、「亡祖母 〇〇〇〇 儀」などです。
別な書き方もあります。
「故 〇〇〇〇 儀」です。
どちらの書き方でも問題ありませんが、「故父 〇〇〇〇儀」というような「亡」と「故」の使い方を混在させた記載はありませんので間違えないようにしましょう。
社葬の場合には、会社名と肩書を付け加えます。
「弊社 代表取締役社長 故 〇〇〇〇 儀」です。
2-3.拝啓や敬具など会葬礼状のマナーをチェックしましょう
故人の名前の書き方の他にも会葬礼状で注意すべきマナーがいくつかあります。
注意すべき点はこれだけですのでしっかりチェックしておきましょう。
導入の挨拶文、頭語・結語は不要
「暑さが一段と厳しくなってきました」とか「寒さが身に染みる頃となりました」という一般的な手紙にあるような季節や気候に触れる導入の挨拶文は不要です。
また「謹啓」や「拝啓」といった頭語とか、「敬具」のような結語も不要です。
頭語や結語については入れても構いませんが、入れる場合は両方とも入れるようにしましょう。
どちらか片方だけではみっともない会葬礼状となってしまいますの気を付けましょう。
句読点は使わない
「、」や「。」の句読点は会葬礼状では使いません。
句読点を会葬礼状で使わない理由はいくつかあげることができます。
読み手に対する敬意を表すことの一環として、句読点のような読み方の指示とも受け取られかねないものは記載しない
葬儀などの法要が滞りなく流れるように進めるという意図から、文章を途切れさせる句読点のようなものは記載しない
会葬礼状は本来毛筆で記載されていたもので毛筆の場合は句読点を入れないので、会葬礼状でも記載しない
などです。
敬語を使う
会葬礼状では、相手に対してへりくだった記述をするので敬語を使います。
良く使われる敬語としては以下のようなものです。
拝眉(はいび):お会いする、お目にかかるという意味
拝趨(はいすう):出向く、参上するという意味
その他の会葬礼状のマナー
経済的な理由や故人の遺志などの特別な理由から香典返しをしない場合はその旨を記載し、可能であれば理由と使途を会葬礼状に書き添えておきましょう。
個人情報保護法の考え方が広まってきていることもあって、最近では住所や電話番号は記載しないことが多くなってきています。
また、マナーということではありませんがお清めの塩の小袋を会葬礼状と一緒に渡すケースが増えています。
しかし清めの塩はどちらかというと神道的なものですから、葬儀の際に渡す必要があるとまでは言えませんので無理に付けなくとも問題はありません。
2-4.最高に丁寧な会葬礼状とは
これ以上無いような丁寧な会葬礼状としては、以下のような会葬礼状になります。
葬儀に参列いただいたお礼を、毛筆でしたため奉書に仕立てます。
奉書を七巻半か五巻半に折り畳むようにして巻きます。
この会葬礼状の奉書を半巻にするのは、故人が亡くなったことに対し割り切れない気持ちを込めています。
その会葬礼状を四十九日の法要が明けたら、会葬いただいた人のもとに伺って感謝の言葉を添えて渡します。
ここまでの会葬礼状はなかなか見かけませんが、本当に感謝の気持ちを伝えたいのであれば実施されてはいかがでしょうか。
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