葬儀や年回忌、お盆やお彼岸など、弔事に供え花は欠かせないものです。
普段の生活の中でも、仏壇に花を供えるのは仏様の供養の基本ですし、お墓に花を供える習慣も同様です。
この記事ではまず、供え花とはどういったものなのか、その使われ方を見ていきます。
そして仏壇やお墓の供え花はどんな種類を選べばよいのかや、飾り方、長持ちのさせ方などについて解説します。
また、お葬式での供え花(供花)の意味、数え方、どういった形のものがあるのかや、花の選び方、相場、注文するときに注意するべき確認事項の他、並べ方や送っていただいたときのお礼についてもお伝えしていきます。
— この記事の目次 —
1.お葬式の供え花はどんな形で使われる?
1.お葬式の供え花はどんな形で使われる?
出典元:https://www.ac-illust.com/
お葬式には、さまざまな形で花が使われています。
ここではまず、お葬式の花はどのような種類の使われ方があるのかを見ていきましょう。
1.1 故人の枕元を飾る花~一本花・枕花
一本花
故人が亡くなると、枕元には「枕飾り」を置くという習慣があります。
これはお通夜までに弔問に駆けつけた人のための、簡易な祭壇です。
仏式では台の上に白い布をかけ、そこに一本花、ろうそく、線香、香炉、おりん、一膳飯、水、枕団子などを置きます。
この枕飾りで、花瓶に一本植物を供えるのを「一本花」といい、主に「樒(しきみ)」という植物を置きます。
樒は仏式のお葬式や法事によく使われる常緑樹です。
樒の他に、菊などを一輪供えることもあります。
枕花
枕花は故人と近しい関係性の方が自宅に送り、故人の枕元に置く花です。
主に血縁の深い親族や、故人と特に親しかった方などがメッセージカードをつけて送ります。
形式としては、篭アレンジメントなど少し小ぶりなもので、一基(一つ)5,000~20,000円くらいの値段のものが一般的です。
お通夜までは自宅の故人の枕元に置き、その後葬儀会場に持って行って柩の近くに置かれます。
1.2 葬儀会場を飾る花~供花・花輪・花祭壇
供花
供花はお葬式に送られ、祭壇の周りに飾られる花です。
供花については4章以降で詳しくお伝えいたします。
花輪(花環)
お葬式で使われる花輪は、葬儀会場の外に飾られるもので、子供一同や職場の方などの連名で送られることが多いです。
輪状に造花を組み合わせたもので、幅が1.8m,高さは3.3mくらいのものが一般的です。
輪を支える脚の部分には「孫一同」など送った方の名前が入ります。
花輪は相場が一基10,000~20,000円くらいです。
近年では景観やスペースなどの問題から、花輪を使う葬儀は減ってきています。
花祭壇
お葬式の祭壇には、従来からの白木祭壇と、近年広まってきた花祭壇があります。
花祭壇は以前は高価でしたが、今は安く設営できるようになってきており、これを選ぶ喪家は多くなっています。
菊などの仏花のほか、故人の好きだった花で作ることもでき、オリジナリティが出せるのが魅力です。
1.3 儀式に使われる花~献花・別れ花
献花
献花とは、キリスト教式や無宗教のお葬式で行われる儀式です。
仏式で行われるお焼香のように、一人一人が花を一輪ずつ献花台に捧げます。
献花で使われるのは茎の長い花で、白い菊や白いカーネーションなどが多いです。
別れ花
告別式が終わったあとに、参列者が柩に花を入れていく儀式を別れ花と言います。
別れ花は、祭壇の花や、祭壇の周囲に飾られた供花を葬儀社が抜き取ってそれを使うのが一般的です。
故人の好きだった花などを、別れ花用に別に用意することもあります。
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