2.男性の準喪服マナー・これはOK?NG?
出典元:https://www.ac-illust.com/
1.3でお伝えしたように一般的に喪服と言えば準喪服のことです。
そこでここでは、男性の洋装の準喪服のマナーについて詳しく見ていきます。
2.1 スーツはダブルorシングル?スリーピースは着てよいの?
男性の洋装の準喪服は、「ブラックスーツ」と呼ばれています。
これはビジネスで着用するダークスーツとは異なるものです。
ブラックスーツはダークスーツよりゆったりとしたシルエットになっており、ベント(ジャケットの裾の切れ込み)がありません。
また、パンツはシングル(裾を折り返さないタイプ)です。
生地は高級なウールを使用しているため漆黒で、ポリエステル混が多いダークスーツが少し光って見えるのに比べ、色に深みがあります。
ブラックスーツにはシングル・ダブル・スリーピースがありますが、どれを着用しても構いません。
しかし喪服は、故人に近しい方ほど格の高い装いをするというマナーがあります。
遺族・親族は喪主より、一般参列者は喪主・遺族・親族より格式の高いものを着ることはできないのです。
スリーピースはツーピースより正式な服装とされていますから、準喪服としてはスリーピースを着ない方が無難と言えるでしょう。
ジャケットのボタンは通常、一番下は留めない(アンボタンマナー)こととされています。
ベストの色は黒で、こちらも一番下のボタンは留めません。
ベストを着用したときにジャケットのボタンを留めるかどうかについては、通常では留めませんが、弔事の際では諸説あるようです。
2.2 ネクタイピンやカフスボタンはマナー違反?
ネクタイは黒無地で、刺繍や織柄などがないものにします。
黒無地でも、サテンのような強い光沢感のある素材や、麻などカジュアル感のある素材はNGです。
弔事用のネクタイはシルクやポリエステルが多く、特に上品な質感と光沢感のあるシルクがよく選ばれています。
結び方はプレーンノットやセミウインザーノット(ワイドカラーのとき)で、ディンプル(結び目の下のくぼみ)を作らないようにします。
また、ネクタイピンは使いません。
ワイシャツは白無地でブロード素材のものを選びましょう。
こちらもネクタイと同じく、織柄やシワ加工などがないものにしてください。
襟はレギュラーカラーまたはワイドカラーがよいでしょう。
カフスはシングル・ダブルのどちらでもよいので、カフスボタンはマナー違反ではありません。
しかしなんでもよいわけではなく、ボタン部分の石は黒、留め具など金属の部分は銀色のものを選びましょう。
2.3 靴下のワンポイントは?金具のついた靴はダメ?
靴下も黒無地で、光沢が強いものやスニーカーソックスなど短すぎるもの、透ける素材などは選びません。
会場が畳敷きでない場合でも、会食やお茶などのときに靴を脱ぐことも考えられますので、ワンポイントも避けた方が無難です。
靴は黒の革靴で、ストレートチップまたはプレーントゥの、内羽根のものがベストです。
ストレートチップとは、つま先部分の切り替えが一本の靴で、プレーントゥとはつまさき部分の切り替えのない靴です。
内羽根とは、紐を結ぶ部分のつま先側が固定されていて、ハの字にしか開かない形式のものを指します。
<ストレートチップ・内羽根の靴>
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内羽根の靴はもともと、貴族が式典や室内での執務で履くもので、フォーマルな場では内羽根を選びます。
外羽根(紐を結ぶ部分のつま先側も開くようになっているタイプ)は屋外での作業の際に履くものとされています。
靴は金具がついていない方が、装飾性が少なくなり好ましいです。
紐を通す穴に金具がついているものがありますが、これもどちらかというとカジュアルな印象となりますので避けた方がよいでしょう。
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