移動しずらい仏式のお葬式では、読経の後で焼香をします。正しい焼香のやり方はご存知でしょうか。
お葬式に参列する機会はそれほど多くはありませんので、正確に知っているという方は多くないのではないでしょうか。
「前の参列者の人と同じようにやればいいや」と思っていても、自分が一番手になることもあるかもしれません。
そうなった時に、やり方を知っていないと困ってしまいますよね。
この記事では、焼香の意味や由来、知っておくべき作法、宗派別の違いや焼香の順番などについてご説明します。
これを読めば、焼香についての幅広い知識が身に付き、お葬式で正しい焼香を行うことができるようになります。
マナーを守って、心を込めて故人を供養しましょう。
この記事を読んで焼香のやり方について身に付けていただければ幸いです。
— この記事の目次 —
1.葬式における焼香とは
1.葬式における焼香とは
出典元:http://www.gishiki.co.jp/
お葬式における焼香の意味と、その由来、宗派による違いなどについて基礎となる知識をご説明します。
1-1焼香の意味
出典元:http://www.gishiki.co.jp/
焼香とは、仏様や死者に対して敬意を持って香を焚いて拝むことをいい、仏教における供養の一つです。
お葬式などで使われるお香は、線香と抹香、焼香の3種類があります。
抹香とは細かくして粉末状にした香のことで、焼香はいくつかの種類の香木を砕いて混ぜ合わせてつくった香のことをいいます。
一般的によく使われるのは焼香で、参列者は直接火種にくべて焼香を行います。
仏教の教えでは、人は生きているうちに汚れるものであり香の煙で汚れた身体や心を清めきれいにしてから仏様と向き合うことが必要だと言われています。
焼香は一般的には、左手に数珠をかけて右手で行います。
1-2焼香の由来
出典元:http://why-information.com/
仏教が生まれたインドは香木の産地です。
インドは非常に暑いため、古くから匂い消しとして香が用いられてきました。
特に遺体の腐敗臭を消すために重宝されてきた歴史があります。
そのため、不浄を祓うものとして仏教の重要な供養の一つとされました。
日本には仏教伝来とともに香が伝わったとされています。
日本においても、昔はドライアイスなどの遺体の保存技術が乏しかったため、遺体の匂い消しという重要な意味合いがありました。
今は風習が変わってきていますが、元々お通夜は夜通し故人に寄り添い香を焚き、寝ずの番をするものでした。
これは故人の思い出を語らうという意味以外にも、実用的な意味があったのです。
また、焼香の良い香りは、極楽浄土を思い起こさせるとともに、香りが隅々まで行き渡ることから、全ての人に仏の慈悲を平等に行き渡らせるものとしてのいわれもあります。
香は燃え尽きると灰になることから、その様子が、いずれは消えゆく自身の姿をたとえており、我が身の無常を悟りなさいとの教えを頂く意味もあるとされています。
1-3宗派によって焼香のやり方には細かい違いがある!
出典元:https://www.a-sougi.com/
焼香は、香をつまんで、額までかかげて、香炉に落とすという基本的な作法があります。
詳しくは項目2-3でご説明しますが、宗派によって一連の動作と、行う回数に違いがあります。
自分の宗派とお葬式の宗派が違っていたとしても、自分の宗派に沿ったやり方で行って差支えありません。
ただし参列者の人数が多いときや、時間が押しているなどの事情があるときは、「1回でお願いします」などと指示される場合がありますので、そのときはアナウンスに従うようにしましょう。
自分の信仰する宗派のやり方を覚えた上で、他の宗派についても知っておくと、どんな場面でも余裕をもって対応できるようになるのではないでしょうか。
もし自分の宗派がわからないときには、基本の作法を覚えておくようにしましょう。
<< 次ページへ続きます >>